血痕パターン分析
血痕の形状は、それが到達した角度を示し、位置はどこから来たかを示します。そのいずれも、現場が清掃された瞬間に失われます。そして写真は、それらを撮影した角度からしか、しかも平面の画像としてしか保全しません。
3Dスキャンは血痕と面を一緒に記録します。0.05 mmの表面形状の上に血痕の輪郭を、そしてすべての血痕の室内での位置を取得し、そのために何も触れません。
事件に関する機微な情報は不要です。
3Dスキャンを血痕パターン分析に使えますか
はい。実際の下地の0.05 mmの形状の上に血痕の輪郭を非接触で取得し、室内での位置は2回目のスキャンから得られます。
血痕と面をまとめて楕円と、それが付着した下地を1つのデータセットに収めます。
非接触、被覆なし血痕には何も塗布しません。試料はDNA検査に引き続き使えます。
形状から求める角度幅対長さ比を、平面の画像ではなく実際の面の上で計測します。
後から再計測できます新たな疑問には、再度の臨場ではなく保管データから答えます。
写真と糸張り法では、ここで精度が足りなくなる理由
衝突角度は、血痕の幅と長さの比から求めます。4 mmの血痕では、どちらかの軸の読み取りにわずかな誤差があるだけで、導かれる角度は数度動きます。そして数十個の血痕を発生源領域へ逆投影すると、その数度は積み重なります。面に対してわずかに角度をつけて撮った写真は、まさに計算が依拠するその比をゆがめます。しかも画面内のスケールバーが補正するのは倍率であり、遠近感ではありません。
糸張り法は、室内がまだ存在するうちに、その場で発生源を物理的に再現します。現場が解放された後はやり直せず、前提を修正して再計算することもできず、法廷で示せるのは糸の写真だけです。
いずれの手法も、面を3次元では記録しません。しかし凹凸のある壁紙に付いた血痕は、光沢塗装に付いた同じ血痕とは異なる挙動を示します。そしてその面の形状も証拠の一部です。ハンドヘルドの構造化光スキャナーは、あるままの下地を0.05 mmの精度と0.05 mmの解像度で記録し、その上のカラーテクスチャに血痕の輪郭を収めます。被覆もターゲットも不要なため、試料はDNA検査に引き続き使えます。NIJの調査には、現場鑑識部門がまさにこの目的で3Dスキャンを導入していることが記録されています。血痕パターン分析のためのデータ取得における速度と効率です。同じデータセットはより広い現場も保持するため、パターンが、それがある室内から切り離して計測されることはありません。
ワークフロー全体
2つの規模で取得し、統合します。順序が重要です。パターンは、室内の何かが動かされる前に記録します。
1. 室内をスキャンする2〜3か所の設置位置からの三脚スキャンが、室内の面、出入口、家具を1つの座標系に配置します。設置位置1か所あたり約1.7分(カラーありは2.7分)です。
2. 各パターンをスキャンするハンドヘルドで近距離から、血痕の各群を記録します。ノートPCの画面にスキャン範囲がリアルタイムで表示されるため、確認してから次に進めます。
3. 位置合わせして統合するArtec Studioが近距離で取得したパターンを室内のスキャンデータに位置合わせするため、血痕の位置と面の形状が1つのモデルを共有します。
4. 計測して導き出す楕円の長短軸、衝突角度、発生源領域をモデルから取得し、すでにお使いの解析ソフトウェア向けに書き出せます。
5. 提示して保管する報告書と法廷のための計測可能なモデル、そして現場より長く残る恒久的な記録が得られます。
この用途に適したスキャナー
2つの規模に、2台の機器で対応します。血痕にはハンドヘルドによる近距離での細部が必要で、周囲の室内には測定範囲が必要です。

Artec Spider II
- 最適な用途
- 血痕そのもの。楕円の長短軸と下地の質感
- 3D点精度
- 最大0.05 mm
- 3D解像度
- 最大0.05 mm
- 光源
- 青色構造化光、表面にターゲット不要
- 可搬性
- ハンドヘルド、ノートPCに有線接続
衝突角度は、長さ数ミリの血痕上での軸の読み取りから導かれます。血痕の輪郭は、下地の0.05 mmの形状データに位置合わせされたカラーテクスチャから読み取ります。そのため、4 mmの血痕の幅対長さ比は、平坦化された写真ではなく実際の面の上で計測されます。青色構造化光は、パターンが実際に付着する扱いにくい下地でも安定します。凹凸のある壁紙、塗装されたれんが、カーペットなどです。しかも面には何も塗布しないため、血痕は試料採取に引き続き使えます。

Artec Ray II
- 最適な用途
- パターンがある室内
- 精度
- 10 mで1.9 mm
- 測定範囲
- 0.5〜130 m
- スキャン時間
- 設置位置1か所あたり約1.7分(カラーありは2.7分)
- 可搬性
- ワイヤレス、三脚設置
発生源領域は、1つの壁ではなく室内全体に関わる問いです。パターンが到達し得たすべての面を、1つの座標系で必要とします。2〜3か所の三脚の設置位置で、数分のうちにそれが得られ、近距離で取得したパターンのスキャンデータをそこに位置合わせできます。そのため、血痕の位置と室内の形状は、2組の記録に分かれるのではなく同じモデルに収まります。
「Artecは、Space Spider、Leo、Rayによって法人類学のあり方を本当に変えました。私はArtecのソリューションを日々のフィールドワークに取り入れ、捜査員、法執行官、大学生を対象とした通常講座や特別講座にも組み込んでいますが、その成果はまさに目を見張るものです。」
「Leoなら、必要なあらゆる解析に十分すぎるほどの形状データを持つ、非常に高精度なスキャンが得られます。そこに写真テクスチャを加えれば、本物そのものになります。」
実際の事案で扱う面の上で、血痕パターンをサブミリの細かさで取得する流れをご覧ください。デモをご予約ください。
デモを予約する分析担当者からよくあるご質問
スキャンはDNAの試料採取に影響しますか
いいえ。取得は光学式で非接触です。下地にターゲットを置くことも、被覆も、血痕との物理的な接触もありません。パターンは綿棒による採取の前に3Dで記録でき、その採取によって記録が失われることもありません。
凹凸のある面や暗い面でも使えますか
凹凸のある面は、3Dが最も役立つ場面です。血痕とともに下地の形状も取得されるからです。暗く反射率の低い下地は、あらゆる光学式スキャナーにとってより難しい対象です。構造化光方式の機種は自ら光を投影し、高感度モードがそうした面に対応します。評価の際には、最も条件の悪い下地をご指定のうえ、それをスキャンしてください。
既存の解析ソフトウェアはそのまま使えますか
はい。Artec StudioはOBJ、PLY、STL、E57などの標準形式で書き出せるため、計測値と形状データを、研究室がすでにバリデーションの基準としているソフトウェアに取り込めます。スキャナーが置き換えるのは計測であり、解析ではありません。

記録が必要なパターンについてお知らせください
下地と、確保できるアクセスの状況をお知らせください。法科学分野のアプリケーションスペシャリストから、適した機種、その規模で期待できる精度、そしてデータがお使いの解析ソフトウェアにどう届くかをご連絡します。