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犯罪現場捜査の7つのS:各ステップを順に解説 犯罪現場捜査の7つのSとは、現場の確保、目撃者の分離、現場の概観、撮影、見取図の作成、証拠の捜索、そして証拠の確保と収集です。証拠を損なわずに保つ順序で並んだ、7つのステップです。
公開日 2026年10月2日 15分で読めます
このページの内容 犯罪現場捜査の7つのSとは? 7つのSを1つずつ 7つのSと、犯罪現場捜査の7つのステップの対応 7つのSの順序が重要な理由 7つのSの現在の実務 よくあるご質問 要点 7つのSとは、現場の確保、目撃者の分離、現場の概観、現場の撮影、見取図の作成、証拠の捜索、証拠の確保と収集です。 要は順序です。現場は記録される前に保護され、何かが動かされたり収集されたりする前に記録されます。 7つのSは教育用の記憶法です。米国司法省のガイドなどの専門的なガイドは、同じ作業を別の言葉で説明しています。そして何より優先されるのは、各機関自身の手順です。 作業が最も大きく変わったのは、撮影と見取図の作成です。3Dスキャンは、見取図では巻尺で計測する形状を記録し、現場の解放後も計測できる状態で残します。 犯罪現場捜査の「7つのS」とは、最初の警察官が臨場した瞬間から、最後の証拠品を梱包するまで、捜査員が現場を処理する順序のことです。この呼び名は、各ステップの英語名がいずれもSで始まることに由来します。学生はこれをリストとして覚えますが、実務家にとっては、数か月後でも現場を再構成できる理由そのものです。
このガイドでは、7つのSを1つずつ取り上げ、米国司法省の犯罪現場ガイドが各ステップに定める規則を紹介します。さらに、専門的なモデルとの対応を示し、ステップのどこが変わってきたかを説明します。
犯罪現場捜査の7つのSとは?
犯罪現場捜査の7つのSは、現場を順に処理するための7つのステップです。現場の確保、目撃者の分離、現場の概観、現場の撮影、見取図の作成、証拠の捜索、そして証拠の確保と収集です。各ステップが次のステップに必要なものを保全するため、順序はステップそのものと同じくらい重要です。
現場を確保する(Secure the scene):安全を確保し、それから現場を保護します。 目撃者を分離する(Separate the witnesses):各自の証言が互いに影響されないようにします。 現場を概観する(Scan the scene):最初の巡視で、何があるかを把握します。 現場を撮影する(See the scene):発見時のままの状態を写真に記録します。 現場見取図を作成する(Sketch the scene):固定点を基準に現場を描き、計測します。 証拠を捜索する(Search for evidence):見落としたものを系統的に探します。 証拠を確保・収集する(Secure and collect evidence):すべての証拠品を梱包し、ラベルを付け、記録します。
このリストは規格ではなく教育に由来します。Bertinoの教科書『Forensic Science: Fundamentals & Investigations』(法科学の基礎と捜査)に示され、学校や大学の法科学の授業で使われています。専門的なガイドは同じ作業をそれぞれの用語で説明しており、各機関は独自の文書化された手順に従って作業します。7つのSは順序を覚えるための方法であり、それらの手順に代わるものではありません。
7つのSを1つずつ
以下の各ステップは、『Crime Scene Investigation: A Guide for Law Enforcement 』(法執行機関向けの犯罪現場捜査ガイド)に従っています。このガイドは2000年に全米規模の作業部会が初めて作成し、2013年にNational Forensic Science Technology Center(NFSTC)が改訂したものです。あらゆる作業について原則、方針、手順を示しており、多くの機関の手順がその考え方に沿っています。
1. 現場を確保する(Secure the scene)
現場の確保は、あらゆる犯罪現場捜査の最初のステップであり、最初に臨場した警察官が担います。まず優先するのは安全です。警察官は脅威の有無を確認し、必要な人に医療救護を手配し、その場にいる人々を統制します。証拠の保全が優先されるのは、その後です。
境界は、犯罪が起きた中心地点から始まり、外側へ向かって侵入・逃走経路、そして被害者や証拠が動かされた可能性のあるあらゆる場所まで広げます。ガイドの助言は、境界を広めに設定することです。境界は後から縮小できても、拡大するのはそれほど容易ではないからです。境界はテープ、コーン、車両、あるいは既存のドアや壁で示し、出入りするすべての人を記録簿に記録します。
その理由はロカールの交換原理にあります。現場に立ち入る人は誰でも、何かを持ち込み、何かを持ち去ります。記録されていない立ち入りはどれも汚染源となり、誰かが法廷でその説明を求められるおそれがあります。
2. 目撃者を分離する(Separate the witnesses)
目撃者を互いに引き離すのは、ほかの人の話に影響された内容ではなく、各自が見たことを証言してもらうためです。捜査員は現場で一人ずつ別々に事情聴取し、警察署へ移送する際も、ほかの目撃者や被疑者とは別々にします。
各目撃者が立っていた位置も記録します。後の再現で、その地点から実際に何が見えたかを検証する必要が生じることがあり、それを担うのが視線分析 です。
3. 現場を概観する(Scan the scene)
現場の概観とは、何かに触れる前に行う、最初の慎重な巡視(ウォークスルー)のことです。捜査責任者は、犯罪が行われた一次現場と、車両や遺体が運ばれた経路などの二次現場を特定し、最初に対処すべき脆く消えやすい証拠を見つけ、その現場に必要な記録の内容を決めます。
状況は変化するため、この段階で記録します。照明が点いていたか消えていたか、ドアや窓の開閉状態、におい、温度、天候などです。証拠がないことを確認した進入経路を設け、ほかの全員が同じ経路を使うようにすることもよくあります。
4. 現場を撮影する(See the scene)
現場の撮影とは、写真による記録のことです。ガイドは、全景、中距離、接写の3段階での撮影を求めています。現場とその周辺の全景写真、物どうしの位置関係や基準点との関係を示す中距離写真、そして各証拠品をスケールまたは証拠マーカーを入れた状態と入れない状態の両方で写す接写写真です。ビデオは写真を補うことはできても、写真の代わりにはなりません。
写真撮影は見取図の作成より前、そしてどの証拠品も動かす前に行い、発見時のままの現場を記録に残します。被害者、遺体を移動した後のその下の場所、見物人、車両も撮影します。
写真は1つの視点からの見た目を記録するもので、それだけでは距離を記録しません。その空白を埋めるのが次のステップであり、写真と比べて3Dスキャンが作業を最も大きく変えるのもこの部分です(3Dスキャンと写真の比較 )。
5. 現場見取図を作成する(Sketch the scene)
現場見取図の作成では、写真にはできない、計測に基づく図面を作ります。各証拠品が固定点に対してどこにあるかを、縮尺どおりに示すものです。略図は、写真撮影の後、何かを動かす前に現場で描きます。清書図は後でその略図をもとに描き、略図は現場を離れた後に一切修正しません。
現場見取図には、次の内容を含めます。
事件番号と、図面上に記入した方位(北) 使用した縮尺、または略図では「縮尺なし(Not to Scale)」の注記 すべての記号を定義した凡例 部屋、ドア、窓、家具とその寸法 各証拠品の位置(証拠品記録簿と一致する番号を付ける) 各証拠品から、壁、角、縁石などの固定基準点までの距離
ガイドは、1/4インチ(約6 mm)以内の精度での計測を求めています。計測は次の4つの方法のいずれかで行います。
三角測量法:現場内の動かない2つの固定点から、各証拠品までを計測します。屋内でも屋外でも使えます。 直角座標法:2つの壁のように、直角に交わる2つの面から計測します。 極座標法:1つの基準点からの距離と角度を計測します。固定点が1つしかない屋外の現場に用います。 横断基線法:現場全体を横切るように巻尺を張り、そこから各証拠品まで直角に計測します。証拠品が多く、ほかの方法が使えない現場に用います。
同じガイドは、現在では訓練を受けた捜査員がレーザースキャン機器を現場見取図の作成に使っていることにも触れています。スキャンはスキャナーから見えるあらゆる面を記録するため、見取図に必要な距離を後からスキャンデータで計測できます。その時点で誰も計測しようと考えなかった距離も含まれます。その作業の手順は犯罪現場の3Dスキャン で解説しています。
6. 証拠を捜索する(Search for evidence)
証拠の捜索は、それまでのステップで見つからなかったものを求めて、現場全体を系統的に調べる作業です。捜査責任者は、現場の広さと種類、捜索に当たる人数に応じて方法を選びます。ガイドは4つの捜索パターンを挙げています。
レーン法(帯状法):捜索者が平行なレーンを同じ方向に歩きます。各レーンの幅は腕の長さほどです。 格子法:レーン法の捜索を一度行い、次に直角の方向でもう一度行います。時間は2倍かかりますが、より徹底した捜索になります。 区域法:範囲を隣り合う区域に分け、順に捜索します。区域が小さいほど、捜索は綿密になります。 らせん法:捜索者がらせん状に内側へ、または外側へ進みます。外向きのらせんでは、中心へ向かう途中で証拠を損なうおそれがあります。
どの方法でも、捜索を終えた範囲には完了の印を付けます。また、誰かが何かを見つけたときにどうするかを、チームで事前に決めておきます。誰を呼ぶか、どの経路を通るか、ほかの全員が作業を止めるかどうかです。
7. 証拠を確保・収集する(Secure and collect evidence)
証拠の確保と収集が最後に来るのは、収集によって現場が元に戻らない形で変わるからです。収集には優先順位を付け、濡れた地面の足跡痕やほこりに残った痕跡のように、脆く消えやすい証拠を最初に採取します。各証拠品はその場で撮影し、種類に応じた方法で収集し、梱包、封緘、ラベル付けをしたうえで証拠品記録簿に記載します。
その時点から証拠保全の連鎖が始まります。現場から法廷まで、その証拠品を扱ったすべての人の記録です。記録に空白があれば、相手方にその証拠品を疑う理由を与えます。これはデジタル記録にも当てはまります。3Dスキャンデータの証拠保全の連鎖 をご覧ください。
現場が解放される前に、捜査責任者が最終調査を指揮します。すべての範囲を再点検し、すべての証拠の所在を確認し、持ち込んだ機材や資材を撤去し、危険があれば報告します。その後、現場が解放され、元の状態のまま再び立ち入ることはできなくなります。
7つのSと、犯罪現場捜査の7つのステップの対応
専門的なガイドは、同じ作業を異なる形で区切っています。そのため「犯罪現場捜査の7つのステップ」を検索すると、複数のリストが見つかります。National Forensic Science Technology Center(NFSTC)の7つのステップ、GardnerとKrouskupの『Practical Crime Scene Processing and Investigation』にある6段階のモデル、そして米国司法省ガイドの章立ては、いずれも同じ1つの流れを説明しています。
各ステップは、Forensic Science Simplified(NFSTC)での公表内容、Police1によるGardnerとKrouskupの要約、米国司法省ガイドの目次に基づきます。
米国以外でも、現地の手順がどう呼ばれていようと、順序は同じです。国際規格ISO 21043-2は、まさにこの一連の作業、すなわち資料の認識、記録、収集、輸送、保管について要求事項を定め、各資料の履歴を現場から研究所までたどれるようにしています(ISO 21043シリーズに関するNISTの解説 )。
7つのSの順序が重要な理由
各ステップは次のステップを守ります。現場の確保は、これから撮影される証拠を損なわずに保ちます。見取図の前に撮影すれば、誰かが巻尺を持って証拠品の間を歩き回る前に位置を記録できます。収集の前に見取図の作成と撮影を行えば、各証拠品をあった場所のまま記録できます。いったん取り上げれば、その位置は記録の中にしか存在しないからです。
この順序は基本形であって、儀式ではありません。米国司法省ガイドには、現場の安全確保が難しくなる場合や天候が悪化する場合など、現場で使える時間が限られる、時間的制約のある現場についての項目があります。またForensic Science Simplified は、現場の必要に応じてステップの順序を入れ替えたり、まとめたりできると述べています。変わらないのは、記録が収集より先に来るという点です。
この順序が防ぐ失敗は、よく知られたものです。記録されていない立ち入り、撮影前に動かされた証拠品、現場の解放前に誰も行わなかった計測です。最後のものが最も取り返しがつきません。解放された現場は元に戻せないからです。たとえば血痕パターン分析 が、血痕を落ちた場所で計測することに依存しているのはそのためです。
7つのSの現在の実務
ステップ自体は変わっていません。最も大きく変わったのは、撮影と見取図作成の道具です。デジタル写真がフィルムに取って代わり、トータルステーションが巻尺による計測の一部を引き継ぎ、現在では3Dスキャンが現場の形状を1回の作業で記録します。
3Dスキャンは、写真やメモの代わりにはなりません。巻尺による計測の大半を引き継ぎ、見取図を補うものです。スキャナーから見えるあらゆる面が位置とともに記録されるため、距離、高さ、視線を、現場の解放後にスキャンデータから計測できます。部屋や屋外の現場では三脚設置型のレーザースキャナーが空間を取得し、ハンドヘルドスキャナーが証拠や遺体を詳細に追加し、両者を1つのモデルに統合します。現場を計測するこの2つの方法の比較は、レーザースキャナーかトータルステーションか で解説しています。
現場全体の記録に使用
Artec Ray II
部屋や屋外の現場を各設置位置から記録する、三脚設置型のレーザースキャナーです。内蔵カメラでカラーも取得するため、全体の記録と計測値が同じ取得データから得られます。証拠や遺体用のハンドヘルドArtec Leoと組み合わせれば、現場全体が1つの座標系に収まります。
3D点精度 10 mで1.9 mm
測定範囲 0.5〜130 m
視野角 360° × 300° 同じ現場で、Artec Leoは証拠、遺体、車両を、コンピューターなしのハンドヘルドで最大0.1 mmで記録します。そのため、三脚の設置位置からは見えない細部も同じモデルに取り込めます。証拠品を取り上げる前にどう記録するかは、証拠のその場記録 で紹介しています。
現場の解放後も、計測できる状態を残しましょう。犯罪現場の3D記録のデモをご予約ください。
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よくあるご質問 犯罪現場捜査の7つのSとは? 現場の確保、目撃者の分離、現場の概観、現場の撮影、見取図の作成、証拠の捜索、証拠の確保と収集です。現場を扱う順序、つまり現場を守り、記録し、それから証拠を回収するという順序を覚えるための記憶法です。
犯罪現場捜査の最初のステップは? 現場の確保です。最初に臨場した警察官が現場の安全を確保し、負傷者の救護を手配し、その場にいる人々を統制し、境界を設定し、立ち入るすべての人の記録を始めます。その後のすべては、その時点から現場が保護されていることにかかっています。
一次現場と二次現場の違いは? 一次現場は、犯罪が行われた場所です。二次現場は、遺体が移された場所、使われた車両、凶器が残された場所など、それに関連するほかのあらゆる場所です。どちらも、それぞれ独立して確保、記録、捜索します。
現場見取図に必ず含める内容は? 事件番号、方位(北)、縮尺または「縮尺なし(Not to Scale)」の注記、凡例、寸法を入れた配置、そして固定点まで計測し、証拠品記録簿と一致する番号を付けた各証拠品です。現場で描いた略図は、後から一切修正しません。
犯罪現場の4つの捜索パターンとは? レーン法(帯状法)、格子法、区域法、らせん法です。捜査責任者は、現場の広さと捜索に当たる人数に応じて方法を選びます。格子法は直角の方向で繰り返すレーン法で、より徹底していますが、時間はおよそ2倍かかります。
犯罪現場捜査にはどのくらい時間がかかりますか? 現場によって異なります。屋内の小さな現場なら数時間、殺人事件や広い屋外の現場では数日かかることもあります。ステップは同じです。所要時間を左右するのは、記録し収集すべきものの量と、現場をどれだけ早く解放しなければならないかです。